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日本IBMは”ブラック企業”だったのか?

先日、日本IBMの元社長、大歳氏が盗撮で書類送検になったというニュースが報道され、少し話題になった。こういったエラい人がセクハラなり麻薬なり犯罪を犯すケースは洋の東西を問わず、昔から起こっているものだ(SFC環境情報の'92年の過去問に似たような事例が載っていたような)。

本人としては「盗撮には興味があった」とのことなのでその辺りの心理分析はさておき、Business Journal誌の『盗撮で書類送検になったIBM元社長はブラック企業化の張本人』という記事は興味深い。本記事によると、米本社側からすると「常に利益を上げる優等生の経営者だった」ようだが、実態としては大歳氏は「大量クビ切りの達人」で、「人事評価の下位15%を強制的に退職させて”新陳代謝”を図るシステムを導入した」ことにより、業績を向上させていたとのことだ。なお、ブラック企業の定義を、本誌では「『人を使い捨てる』ビジネスモデルをもっている」企業としている。

実際のところ、IBMは”ブラック企業”なのだろうか?2011年時点では「グローバルで業績の良いIBMは、日本のみで業績が悪化している(同社元社員談)」ので、こういったいわゆる外資的な人事体制は、業績の面では功を奏していたようにみえる。また、もしIBMを退職しても外資系ソフトウェアベンダーを初め、次の転職先は引く手あまたである(年齢にもよるが)。

しかし、パフォーマンスの低い人材の新陳代謝を図ることが、イコール”ブラック企業”というのは如何なものか?そうすると、外資系コンサルティングファーム、投資銀行、今度分社化する某R社など、いわゆる人材輩出企業はすべて”ブラック企業”のレッテルを貼らなければならない。だが、これらの企業で働いている人は、自分が”ブラック企業”で働いていると思っている人は、ほとんどいないのではないか?なぜなら、「そういうものだ」と認識しているからだ。

企業の人事体制と従業員の認識のギャップがあるか否か、それが”ブラック”か否かのポイントではないか。その会社に所属し、パフォーマンスを発揮することで、自らのスキルアップ、キャリアアップに寄与するのであれば居続けるだろうし、そうでなければ去る。こういった人事制度は、グローバル化に伴い人材の流動化が加速するであろう今後において、ますます進むのではないだろうか。