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事業開発とキャリア開発が大好きなベンチャー起業家のブログです。

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スーツで富士山登頂して自分の「株」が上がったことに見る、レピュテーションの効果的な集め方

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周囲の人からの評判、評価を高めるためには、どうすれば良いだろうか?

一朝一夕には上手くいかないものだが、コツはいくつかあるのではないかと思う。

今回は、そんなレピュテーションの効果的な集め方について、自分の体験を元にお伝えしたい。

何の目的で、どのようにして富士山に登るか?それが問われている

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1名、不自然な格好をした人物が…

先日、会社の人たちと富士山に登ってきた。

この企画自体は3週間程前からあったが、未経験者が大半を占めていたので、経験者を中心に、持ち物リストや登山ルート、スケジュールの設計など、事前準備を綿密に行ったのだ。

僕は海派で、山はあまり好きではないのでもちろん初富士山だったが、いちおう事務局サイドとして企画運営に携わっていた。

 

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当然、怪我のないように安全に安全を重ね、参加者にはしっかり武装するようにと念を押していた。レインコート、防寒具、軍手、登山用ステッキなどなど。

しかし、逆バリが行動の信条である僕としては、みんなと同じように準備し、万全の体制で登ることに、次第に違和感を覚えるようになっていった。

富士山の頂上に到着した後のことを考えてみよう。

「井口:ついに富士山登ったよ!」

「女性A:そっか!わたしも去年、登ったよ!」

「井口:…」

せっかく苦行の果てに登りきったのであればその事実を誰かに伝えたいが、富士山に登るという経験自体はもはやコモディティ化している。僕は、なんらかのアレンジを加えて登りたいという欲求を押さえきれなくなっていた。

そこで思い出したのは、スーツで富士山に登るという、尊敬する先輩がかつて行った、とてもシンプルなアイディアだ。アウトドア丸出しの登山の中で、ビジネスマン丸出しの格好というギャップは、インパクトがあるだろう。

 

スーツで富士山に登るf:id:neopathos4:20180918054428j:plain

実際のところ、当日会社の人たちとの集合時の(一瞬の)掴みはオッケーだったが、他の登山客含め、徐々に「お前、山をなめてんのか?」的なムードになりつつあった。

それもそのはずだ。スーツに革靴(REGAL、すみません…)、バッグには海パンとビールのみという軽装で初の富士山に臨んでいるからだ。

これで5.5合目辺りでダウンしたら嘲笑の的だ。もはや、高山病になっても気力で登りきるしかない、そんなテンションだった。

 

無事、スーツで富士山に登頂成功!
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結果としては、無事に登下山するというミッションをコンプリートすることができた。自分としては「面白いから実行した」という想いが強かったのだが、それに対するリアクションは、実に想定外だった。なんと賞賛の嵐(笑)。こんなことでも注目を集め、プチ尊敬の対象となったのだ。
 

レピュテーションの効果的な集め方

f:id:neopathos4:20180918054212j:plainところで、今回の一連の行動は、レピュテーション(評判、評価)の集め方と似ているのではないかと思う。

その観点から今回の経験を振り返ってみると、以下の3つの点が本質的な要素ではないかと思う。

  1. 常識を逸脱した方法を模索する
  2. 最低限のリスクヘッジを行う
  3. 結果を出す(やりきる)

1.について、話題になるためには、差別化、つまり他者(他社)がやらないことを実行する必要があるということだ。そのためには、常識的に考えられている手法(正攻法)の真逆を行かなければならない。今回のケースでは、アウトドア⇄ビジネスという真逆のベクトルで攻めている。

2.については、非常識な手法をいかに実現し成功させるか、そのために想定できる対策、リスクヘッジについてだ。今回のケースでは、極力高山病にかからないように、事前の体調管理、当日の栄養補給などをしっかり行った点である(雨具を忘れて、代わりにビーサン・海パン・ビールをカバンに入れてしまった点だけは悔やまれるが…)。

3.は言及するまでもないが、その企画を必ずやりきらなければならない、ということである。これが成功しなければ、「ほらみたことか!」とまさにバッシングの嵐になることは想像に難くない。そのため、多少の困難は甘んじて受け入れなければならない。

 

まとめ:ギャップとインパクトが大事!

結局のところ、レピュテーションを効果的に集めるためには、ギャップとインパクトが大事だ、ということだと思っている。

もちろん、リスクヘッジは必要だが、常識の範囲内に留まっていては、周りに対してインパクトを与えられない。

ギャップとインパクトは、ビジネスにも恋愛にも当てはまる普遍の法則だと思っており、ただそれを実践しただけなのである。

なお、富士山が世界遺産となった現在、スーツで登ることはさすがに風評的にリスクが出てきそうなので、おすすめはできないことをお断りしておきたい…。

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追記:2年連続で富士山にスーツで登頂に成功したよ

2年目も富士山にスーツで登ったときの、山頂での写真。連続はさすがに芸がないと、反省しながら登っていたものだ。

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プロフィール(ストレングスファインダー参照)

経歴については別途記載のとおりですが、本エントリではイケダハヤトさんと同じように、私もストレングスファインダーの結果を貼ります。自分自身の特徴は、たしかに下記のようだと思います。


達成欲
「達成欲」という資質は、あなたの原動力を説明する助けになります。達成欲は、何かを成し遂げたいという恒常的な欲求を示しています。あなたには、毎日がゼロからのスタートのように感じられます。あなたは自分自身に満足するために、一日が終わるまでに何か具体的ことを成し遂げなければなりません。そしてあなたにとって「毎日」とは、平日も週末も休日もすべてを含めた一日一日を意味します。休みを取ったとしても、何も達成することなくその休んだ日が過ぎてしまうと、あなたは不満に感じるでしょう。あなたの中にある炎が、次から次へとあなたを行動に駆り立てます。一つ何かを成し遂げるとその炎は一瞬しずまりますが、またすぐに燃え出し、次の目標へまた次の目標へと、強制的にあなたを前進させ続けます。達成に対するあなたの執拗な欲求は、必ずしも論理にかなっていないかもしれません。方向すら定まっていないかもしれません。しかし、飽くことを知らず常にあなたについて回ります。達成欲の旺盛なあなたは、このわずかに満たされない気持ちとうまく付き合っていけるようにしなければなりません。なにしろ、この気持ちにはそれなりの利点があるのです。長い時間燃え尽きることなく働くために必要なエネルギーを、あなたに与えてくれます。新しい仕事や難しい仕事に取りかかる時、いつでも頼ることができる起爆剤なのです。これがエネルギーの源となって、あなたは職場のチームが働くペースを設定し、生産性のレベルを定めることができます。これが、あなたを動かし続ける資質なのです。
 
目標志向
「私はどこに向かっているのか?」とあなたは自問します。毎日、この質問を繰り返します。目標志向という資質のために、あなたは明確な行き先を必要とします。行き先がないと、あなたの生活や仕事はたちまち苛立たしいものになる可能性があります。ですから毎年、毎月、さらに毎週でさえ、あなたは目標を設定します。この目標はあなたの羅針盤となり、優先順位を決定したり、行き先に向かうコースに戻るために必要な修正をする上で、あなたを助けてくれます。あなたの目標志向は素晴らしい力を持っています。何故ならそれはあなたの行動をふるいにかけさせるからです。――すなわち、特定の行動が目標へ近づくために役に立つかどうかを本能的に評価し、役に立たない行動を無視します。そして最終的に、あなたの目標志向はあなたを効率的にさせるのです。当然ながらこの裏返しとして、あなたは遅れや障害や、例えそれがどんなに興味深く見えようとも本筋から外れることにいらいらするようになります。このことは、あなたを集団の一員として非常に貴重な存在にしています。他の人が脇道にそれ始めると、あなたは彼らを本筋へ連れ戻します。あなたの目標志向は、目標に向かって進むために役に立っていないものは重要ではないということを、あらゆる人に気付かせます。そしてもし重要でないなら、それは時間を割く価値がないということです。あなたは、あらゆる人を進路から外れさせません。
 
収集心
あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報――言葉、事実、書籍、引用文――かもしれません。あるいは形のあるもの、例えば切手、野球カード、ぬいぐるみ、包装紙などかもしれません。集めるものが何であれ、あなたはそれに興味を引かれるから集めるのです。そしてあなたのような考え方の人は、いろいろなものに好奇心を覚えるのです。世界は限りなく変化に富んでいて複雑なので、とても刺激的です。もしあなたが読書家だとしたら、それは必ずしもあなたの理論に磨きをかけるためではなく、むしろあなたの蓄積された情報を充実させるためです。もし旅行が好きだとしたら、それは初めて訪れる場所それぞれが、独特な文明の産物や事柄を見せてくれるからです。これらは手に入れた後、保管しておくことができます。なぜそれらは保管する価値があるのでしょうか? 保管する時点では、何時または何故あなたがそれらを必要とするかを正確に言うのは難しい場合が多いでしょう。でも、それがいつか役に立つようになるかどうか誰が知っているでしょう。あらゆる利用の可能性を考えているあなたは、モノを捨てることに不安を感じます。ですから、あなたは物や情報を手に入れ、集め、整理して保管し続けます。それが面白いのです。それがあなたの心を常に生き生きとさせるのです。そしておそらくある日、その中に役に立つものが出てくることでしょう。
 
アレンジ
あなたは指揮者です。たくさんの要素を含む複雑な状況に直面すると、最も生産性の高い組み合わせにそれらをアレンジしたと確信するまで、何度も並び替えを繰り返し、全ての要素を自分で管理することを楽しみます。あなたは、自分の行為を特別ではないと考えています。あなたは、物事を行うのに最良の方法を見つけ出そうとしているに過ぎません。しかしこのような資質を備えていない人はあなたの器用さに感嘆し、「そんなに多くの事を、どうやって一度に考えられるのですか?」と訊くでしょう。「どうしたらそんなに柔軟でいられるのですか。たった今思いついたことを新しくアレンジするために、既に十分練った計画を棚上げすることができるなんて?」。でも、あなたはこれ以外の行動の仕方など想像することができません。旅行の直前に、急にもっと割安な運賃が利用できることになって予定を変更する場合でも、新しいプロジェクトを成功させるために、人材と資源の適切な組み合わせをじっくり考える場合でも、あなたは柔軟性を効果的に発揮するという点で素晴らしいお手本です。単純なことから複雑なことまで、あなたはいつも最善の「構成」を探します。変化の激しい状況でこそ、あなたはベストを発揮できます。予期せぬ事態に直面すると、苦心して立てた計画を変えることはできないと文句を言う人もいれば、現行の規則や手続きを盾にして逃げる人もいます。あなたは、そのどちらでもありません。それどころか、あなたは混乱の中に飛び込み、新しい選択肢を工夫し、抵抗が最も少ない新たな道を探し求め、新しい協調関係を見つけ出します。結局のところ、もっと良い方法があるかもしれないと思うので、そうするのです。
 
最上志向
優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。真珠を追い求めるダイバーのように、あなたは強みを示す明らかな徴候を探し求めます。生まれついての優秀さ、飲み込みの速さ、一気に上達した技能――これらがわずかでも見えることは、強みがあるかもしれないことを示す手がかりになります。そして一旦強みを発見すると、あなたはそれを伸ばし、磨きをかけ、優秀さへ高めずにはいられません。あなたは真珠を光り輝くまで磨くのです。このように、この自然に長所を見分ける力は、他の人から人を区別していると見られるかもしれません。あなたはあなたの強みを高く評価してくれる人たちと一緒に過ごすことを選びます。同じように、自分の強みを発見しそれを伸ばしてきたと思われる人たちに惹かれます。あなたは、あなたを型にはめて、弱点を克服させようとする人々を避ける傾向があります。あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。その方が楽しく、実りも多いのです。そして意外なことに、その方がもっと大変なのです。

30代でマネジメント経験は本当に必要なのか?

転職情報媒体(エージェントからのアドバイス、その類いの書籍)では、30代でマネジメント経験は必須だ、市場価値があがる、だからマネージャーになるまでは現職に留まったほうが良い、などと真しやかにささやかれています。しかし、それは本当でしょうか?

たしかに、現状、おおまかに30代半ば以降の案件のrequirementでは、以下のような状況でです。

・コンサルティングファーム…他競合ファームでのマネージャー(それに近いタイトル)での経験
・業務系SIer…大規模PJマネジメントの経験
・日系大手メーカー…5名〜のマネジメント経験
・アドミ(経理・財務・HRなど)…リーダー経験以上

しかし、30代前半(特に35歳未満)の案件は、むしろプレイヤーが求められているケースが大半です。

・営業…新規開拓(特に無形商材)がバリバリできる方
・Web系エンジニア…コードをガリガリ書ける方、セルフスターター

当たり前ですが、組織構成はビラミッド型ですので、中間層のニーズの絶対数は、プレイヤーよりも圧倒的に少なくなります。また、単なる「管理」としてのマネージャーは、アーリーステージの企業(いわゆる「第二創業期」の企業含む)には必要とされていません。


そして、重要な点として、全体の案件数では、30代前半までが7割を超えるということです。やや大雑把な感覚値ではありますが。現在の傾向としては、マネジメントは内部で育てて、即戦力としてのプレイヤーを外から採用しようというスタンスの企業が多いように見受けられます。

以上のことから、自身が担う役割に応じて、30代でマネジメント経験が必要かどうかは変わってきますが、現状としては、スペシャリストのニーズの方が圧倒的に高いと言えます。

家族の介護による離職がネガティブに映る理由

転職活動を行うにあたり、現職で在籍しながら活動するパターンと、何らかの理由で離職し、その後活動に専念するパターンと2つに分かれます。

 
私のオススメは、もちろん前者です。転職活動が難航した場合でも、現職に留まるというリスクヘッジができるため、常に一定の余裕をもちながら活動することができるからです。
 
これは非常に重要です。焦って早く内定が出てしまった企業に転職の意思決定をしてしまい、入社後3ヶ月以内に次の転職を考えている方を、私は何人も見てきました。
 
しかし、会社都合によるレイオフや留学など、様々な理由で会社を退職せねばならず、その後転職活動に専念することもあるでしょう。そのような場合は、可及的速やかに転職活動を行い、ブランクを埋める努力が必要です。採用する企業は、ブランクがある候補者を嫌う傾向が強いからです。
 
その中でも、家族の介護によるブランクをもつ方は少なくありません。それ自体は個々人の人生観によりますし、外部がとやかく口出しすることではないかもしれません。ただ、こと転職に関して言えば、あまりポジティブに企業側が受け入れやすい理由ではありません。
 
理由は、ブランクの長さです。往々にして、介護による離職は、ブランクの期間が半年〜1年以上にわたります。また、被介護人に付きっきりでいることが多いため、離職期間中の個人のスキルアップを図る時間が取りづらいようです。これは、特に業界の変化がダイナミックなエンジニア系職種の方には大きなマイナスとなります。どれくらいマイナスかと言えば、それまでの経験にもよりますが、離職期間が2年以上の30代後半の方は、書類を10社出して1社通過するかどうか、というくらいです。
 
キャリアにブランクをつくる際は、それがどの位の期間だと想定されるか、その間スキルアップに役立つこと(一部をのぞき、資格はあまり意味をなさない)はできないか、次の転職先のアテはつけられているか等、次のキャリアの計画を立てることを忘れないで頂きたいと思います。

ワークライフバランスを求める人の2つのタイプ

先日面談の機会を頂いてお会いしたキャンディデイトは、某有名戦略コンサルティングファームのコンサルタントの方(20代後半)でした。

その方も、ご多分に漏れずとても忙しくされておられ、
「今月は毎日3~4時くらいまで仕事していて、朝は8~9時くらいに出社しています(土日もほぼ仕事)。」
と、目にクマをつくりながら話されていました。

これまでに高いパフォーマンスを発揮されていますが、今後のキャリアのイメージとして、あと1~2年後には、①事業会社で戦略立案〜実行まで手がけたい、という想いと、②ワークライフバランスを改善したい とのことです。

さすがに、ここまで忙しくされている方は滅多にいらっしゃらないですが、お会いするボリュームゾーンの20代後半〜30代前半の方、つまり働き盛りの方で、最近よく伺う転職理由は、この「ワークライフバランスを改善したい」というものです。


また、あるWeb広告代理店の方(30歳前半)に、「どの程度まで改善したいのですか?」と伺うと、「残業時間は40h/月にはしたいですねぇ。」と答えられていました。

それって、毎日2hの残業、つまり20〜21時には退社するということです。正直なところ、弊社のクライアントはIT・Web系企業様が半数ほどを占めていますが、その求める人物像の多くは「バリバリ・アグレッシブに・ベンチャーマインドをもって(表現は様々です)働ける人」が含まれています。そのため、基本的にはワークライフバランスを強く希望される方には、IT・Web系の業界(特にアーリーステージの企業)はオススメできません。

しかし、Web系企業で忙しくない企業がどれほどあるでしょうか?それが非常に限られていることは、キャンディデイトが一番良くわかっています(その案件を見つけるのがエージェントの役割でもありますが)。

ここで注目すべきポイントは、ワークライフバランスを求める理由として、大きく2つあるということです。

1つめは、30代に入り、結婚などライフイベントを迎え、より中長期な視野で腰を据えて働きたいと考えているタイプ。2つめは、忙しい現状から(誤解を恐れずに言えば)逃避したいと考えているタイプ。後者は、企業のリアクションは良いとは言えません

見分けるポイントとしては、(個人差はあるものの)忙しさの度合い、仕事で発揮したパフォーマンスの大小、本当にその仕事を楽しんでいるかどうか、といった点だと思います。

ワークライフバランスがとれている企業の特徴については、別エントリで書きます。

内定辞退

この業界に携わっている方で、「辞退」という言葉が好きな人はおそらくいないでしょう。

キャンディデイトがオファーを辞退する背景は、オファー条件、自身のミッション、
会社の魅力など多岐にわたりますが、辞退するケースは、3つしかありません。


  1. ほぼ同時期にオファーが出た他社で意思決定するケース
  2. 他社の選考を続けるケース
  3. 現職に留まるケース
 
1社のエージェントのみを使っていれば、オファーが出るタイミングは
把握できているはずなので、2.のケースはあまり起こらないでしょう。
 
3.のケースは、現職で強烈に引き止められる(条件を良くするなど)場合です。
 
1.のケースは、辞退理由で最も多いのではないでしょうか。
エージェントがキャンディデイトとしっかりリレーションがとれていれば、
感覚値として予期できることが多いですが、そうでないことも稀にあります。
 
 
中堅メーカーで経理職で活躍されているKさん(34歳)は、転職活動が非常に忙しい
とのことで、まずは我々と電話でのインタビューを行うことになりました。
 
話し方としては、かなり「エッジの効いた」印象ではあるものの、
経理実務は全般をプレイングマネジャーとしてこなされている方。
 
その後、A社で、Kさんのキャリアにドンピシャの案件が発生したので
ご紹介したところ、話はスイスイと進み、2週間ほどで内定までたどり着きました。

Kさんは内定を快諾し、他社の転職活動をストップし、3週間後の入社日に
備えることに。

…ところが、入社日の前日(月末、つまりエージェントにとっての営業数字〆日)、
突然「やっぱりA社は辞退し、外資の他社にいきます。」との簡潔な文面のメールが送られてきました。

我々は、慌てて電話で確認しました。

「メールで書いた通りです。」Kさんは明らかに不快そうに答えました。

「しかし、入社予定日が明日ですし、A社も他のキャンディデイトの選考を止めて
Tさんを迎えるための準備をされているんですよ…?」

「他社は、A社よりも200万円も年収が高いんですよ!

家族もいますし、当たり前じゃないですか!忙しいので、もう電話切りますね!」
 
結局、ご迷惑をおかけしてしまったクライアントからは、
今後のお取り引きについて見直すとのご連絡を頂戴することに…。
 
 
最後に意思決定をするのは当然キャンディデイトですが、その意思決定が
最良の選択だと自信を持って判断できるように後押しするのはエージェントです。
 
そのために、キャンディデイトとのリレーション構築は欠かせません。
キャンディデイトが意思決定するに当たり、最も重視しているポイントは何か、
どんな職場環境がマッチするのか、エージェントが把握していない重要な事実はないか…。
 
これらを知るのに、電話だけではほとんど不可能だということを、改めて実感した事例でした。