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内定辞退

この業界に携わっている方で、「辞退」という言葉が好きな人はおそらくいないでしょう。

キャンディデイトがオファーを辞退する背景は、オファー条件、自身のミッション、
会社の魅力など多岐にわたりますが、辞退するケースは、3つしかありません。


  1. ほぼ同時期にオファーが出た他社で意思決定するケース
  2. 他社の選考を続けるケース
  3. 現職に留まるケース

1社のエージェントのみを使っていれば、オファーが出るタイミングは
把握できているはずなので、2.のケースはあまり起こらないでしょう。

3.のケースは、現職で強烈に引き止められる(条件を良くするなど)場合です。

1.のケースは、辞退理由で最も多いのではないでしょうか。
エージェントがキャンディデイトとしっかりリレーションがとれていれば、
感覚値として予期できることが多いですが、そうでないことも稀にあります。


中堅メーカーで経理職で活躍されているKさん(34歳)は、転職活動が非常に忙しい
とのことで、まずは我々と電話でのインタビューを行うことになりました。

話し方としては、かなり「エッジの効いた」印象ではあるものの、
経理実務は全般をプレイングマネジャーとしてこなされている方。

その後、A社で、Kさんのキャリアにドンピシャの案件が発生したので
ご紹介したところ、話はスイスイと進み、2週間ほどで内定までたどり着きました。

Kさんは内定を快諾し、他社の転職活動をストップし、3週間後の入社日に
備えることに。

…ところが、入社日の前日(月末、つまりエージェントにとっての営業数字〆日)、
突然「やっぱりA社は辞退し、外資の他社にいきます。」との簡潔な文面のメールが送られてきました。

我々は、慌てて電話で確認しました。

「メールで書いた通りです。」Kさんは明らかに不快そうに答えました。

「しかし、入社予定日が明日ですし、A社も他のキャンディデイトの選考を止めて
Tさんを迎えるための準備をされているんですよ…?」

「他社は、A社よりも200万円も年収が高いんですよ!

家族もいますし、当たり前じゃないですか!忙しいので、もう電話切りますね!」

結局、ご迷惑をおかけしてしまったクライアントからは、
今後のお取り引きについて見直すとのご連絡を頂戴することに…。


最後に意思決定をするのは当然キャンディデイトですが、その意思決定が
最良の選択だと自信を持って判断できるように後押しするのはエージェントです。

そのために、キャンディデイトとのリレーション構築は欠かせません。
キャンディデイトが意思決定するに当たり、最も重視しているポイントは何か、
どんな職場環境がマッチするのか、エージェントが把握していない重要な事実はないか…。

これらを知るのに、電話だけではほとんど不可能だということを、改めて実感した事例でした。