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ベンチャー企業で事業開発に奮闘する井口和宏のblogです。

スーツで富士山登頂して自分の「株」が上がったことに見る、レピュテーションの効果的な集め方

今週末、会社の人たちと富士山に登ってきた。この企画自体は3週間程前からあり、未経験者が大半を占めていたので、経験者を中心に、持ち物リストや登山ルート、スケジュールの設計など、事前準備を綿密に行った。僕は海派で、山はあまり好きではないのでもちろん初富士山だったが、いちおうではあるが事務局サイドとして企画運営に携わっていた。

当然、怪我のないように安全に安全を重ね、参加者にはしっかり武装するようにと念を押していた。レインコート、防寒具、軍手、登山用ステッキなどなど。しかし、逆バリを行動の信条とする僕としては、みんなと同じように準備し、万全の体制で登ることに、次第に違和感を覚えるようになっていった。登った後のことを考えてみよう。

「井口:ついに富士山登ったよ!」
「女性A:そっか!わたしも去年、登ったよ!」
「井口:…」

せっかく苦行の果てに登りきったのであればその事実を誰かに伝えたいが、富士山に登るという経験自体はもはやコモディティ化している。僕は、なんらかのアレンジを加えて登りたいという欲求を押さえきれなくなっていた。


そこで思い出したのは、スーツで富士山に登るという、尊敬する先輩がかつて行った、とてもシンプルなアイディアだ。アウトドア丸出しの登山の中で、ビジネスマン丸出しの格好というギャップは、インパクトがあるだろう。

実際のところ、当日集合時の(一瞬の)掴みはオッケーだったが、他の登山客含め、徐々に「お前、山をなめてんのか?」的なムードになりつつあった。これで5.5合目辺りでダウンしたら示しがつかない。もはや、高山病になっても気力で登りきるしかない、そんなテンションだった。


結果としては、無事に登下山するというミッションをコンプリートすることができた。自分としては面白いから実行した、という想いが強かったのだが、それに対するリアクションは、実に想定外だった。もう賞賛の嵐(笑)。こんなことでも注目を集め、プチ尊敬の対象となったのだ。


ところで、今回の一連の行動は、レピュテーション(評判、評価)の集め方と似ているのではないかと思う。その観点から捨象してみると、以下の3つの点が本質的な要素ではないかと思う。

①常識を逸脱した方法を模索する
②最低限のリスクヘッジを行う
③結果を出す(やりきる)

①は、話題に上るためには、差別化、つまり他者(他社)がやらないことを実行する必要がある点に言及している。そのためには、常識的に考えられている手法(正攻法)の真逆を行かなければならない。今回のケースでは、アウトドア⇄ビジネスという真逆のベクトルだった。

②については、非常識な手法をいかに実現し成功させるか、そのために想定できる対策についてだ。今回のケースでは、極力高山病にかからないように、事前の体調管理、当日の栄養補給などをしっかり行った点である(雨具を忘れて、代わりにビーサン・海パン・ビールをカバンに入れてしまった点だけは悔やまれるが…)。

③は、言及するまでもないが、その企画を必ずやりきらなければならない、ということである。これが成功しなければ、「ほらみたことか」とまさにバッシングの嵐になることは想像に難くない。そのため、多少の困難は甘んじて受け入れなければならない。


長くなってしまったが、つまりは「ギャップとインパクトが大事」という、ビジネスにも恋愛にも当てはまる普遍の法則を実践しただけなのである。