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『グロービス流 キャリアをつくる技術と戦略』書評

本書は、グロービス経営大学院の講師(研究科長・副研究科長)が、個人のキャリアを考えるにあたっての、考え方およびツールを紹介したものだ。

考え方については、キャリア・アンカーやプランド・ハプンスタンス・セオリーなど、既存の有力な考え方の紹介がベースとなっており、 ツールについては、主にコンサルティングの手法(AsIS-T0Beのギャップ分析や)や、マーケティング(4P/3Cのフレームワークの個人への転用)を紹介し、 そのワークシートを載せている。


本書では、「キャリア」とは、「人生そのもの」だと捉えている。
つまり、職業人としての自分のみならず、プライベート、家族など、多様な役割の総体としての自身を、どう定義し、形成していくかがキャリア戦略であると言えよう。

日常の多忙な仕事に流されていると、「転職で年収100万円アップ!」というWeb広告に目が留まることはあっても、
立ち止まってじっくりと自身のキャリア戦略を考えることはおざなりになりがちだ。
そういった状態が続くと、本書で指摘されている「ゆでガエル」の状態になりかねない。

先日、某日系大手電機メーカーのS社の優秀な若手社員と面談する機会があったが、
あれだけマイナス計上を叩き出しているにも関わらず、周りの多くの社員たちからは、ほとんど危機感が感じられないそうだ。

「まさか自分が所属する会社が潰れることはないだろう」「仮に潰れたとしても転職すれば良い」と
高を括っているのかもしれないが、転職市場では、あなたという個人が、何が出来て、何がしたいのか?が問われるのだ。

これが一朝一夕でなんとかなるものではないことは、現在転職市場に多く見られる、
日系大手電機メーカーでの早期退職プログラムを受け入れた方々(主に中高年の方)が証明している。

会社にすがるだけで一生が安泰することが出来なくなった以上、本書は自らの人生の選択権を掴むためのキャリアを
考える上で有益であろう。