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ベンチャー企業で事業開発に奮闘する井口和宏のblogです。

「ワークライフバランス」の論点は、業務時間の長さについてではないと思う。

仕事柄、候補者(転職希望者、または中長期的に検討されている方)にお会いする機会が多くあるが、面談の中でワークライフバランスの話になることがしばしばある。

ワークライフバランスというと、一般的には「業務時間」の長さについて言及されることが多い。残業時間の長さであったり、休日に仕事が発生するかどうかだ。

面談での話のパターンとしては、大きく以下の2つに分かれる。


①現在の仕事が忙しすぎて身がもたないため、中長期的に働ける環境を探している
②とにかく残業は嫌なので、出来るだけ働く時間を短くしたい

僕がお会いする中では、前者は、コンサルティングファーム在籍者やベンチャー企業を中心とした営業職の方に多い印象を受ける。こういった方々の多くは、平日は終電近くは当たり前、土日も業務時間を割く事も辞さない、という状態だ。これでは身がもたないし、知識のインプットの時間が取れないので、平日は終電帰りでも良いがせめて土日は休める環境を探してる、という主張だ。

一方で、後者は、会社の平均残業時間や勤務時間、勤務地といった情報を特に気にされている。また、スタートアップは忙しくなりがちで、かつ安定しないとの理由により敬遠される方が多い。


ところで、転職先を検討するにあたって、ワークライフバランスは検討要素の1つでしかない。さらに、ワークライフバランスとは、業務時間のことだけを指すものではない。

この点で、クライアントである某日系コンサルティングの幹部の方が指摘されていたことが示唆深い。その方が言うには、「ワークライフバランスとは、『仕事』『休暇』『年収』の3つの要素をいかにバランスさせるかが論点だ」とのことだ。なるほど、休暇を重視して仕事を選べば、往々にして、年収は低くなりがちだ。この3つを高い次元でバランスさせるポジションは、率直に言えばかなり少ないと言えるだろう。20代〜30代前半の方向けのポジションは、特にそうだ。


転職市場において、年収とはその人材が有するスキルの価値であり、また労働市場での需給関係から相対的に決まるものである。高い年収は、営業であれば高い実績、エンジニアは高品質のプログラミング、もしくはPM能力、あるいは企画職であれば会社業績upに繋がる戦略立案など、いずれも高付加価値の対価として得られるものだということだ。

ワークライフバランスを主張する方の共通する傾向としては、中長期的な視点でこの3つを高い次元でバランスさせるための転職ではなく、短期的な視点で休暇を重視する傾向が強いということだ。この場合、たとえば40代、50代になって自社の業績が悪化し、いざ改めて転職を試みようとしても、ポジションが非常に限定されてしまうことが危惧される。組織はピラミッド型になることが多く、エグゼクティブ・管理職もしくはスペシャリストとしての採用が期待される40〜50代のポジションの数は、20〜30代と比較して圧倒的に少ないからだ。


ワークライフバランスの3要素という点で参考になる動画がある。イーロン・マスクのインタビューだ。

If other people are putting in 40 hours in a week, and you're putting in 100, …, you will achieve in four months, what it takes them a year to achieve.

彼の「休暇」がどうであるかは不明だし言及しないが、動画の前半で述べられている「自分が高い価値を出せる領域にフォーカス」し、仕事に多くの時間を割いて自己のバリューを高めていくことで、結果的に年収が高まるのだと言えよう。

ぜひワークライフバランスを、「仕事」「休暇」「年収」の3つの要素で、中長期的に捉えることをお勧めしたい。