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「おいしい案件」とは何か?

世の中には大量の求人案件が出回っているが、エージェントから見て「良い案件」、通称「注力案件」または「おいしい案件」とは何だろうか。

「おいしい案件」とは、売上(=採用決定)に繋がりやすいと思われる案件だ。その観点から、①案件の魅力度 と ②採用ハードルの低さ という2軸で分けたマトリクスで整理できると考える。



①案件の魅力度の構成要素は、主なところでは以下の通りだ。
  • 企業のブランド、イメージ
  • 収益状況
  • ポジション、職務内容
  • 想定年収

②採用ハードルの低さは、次の通りである。
  • 採用要件の厳格性
  • 選考プロセスの長さ
  • 採用ニーズの喫緊性

もちろん、案件の魅力度が高く、かつ採用ハードルが低い案件がベストなのだが、当たり前だがそんな案件はなかなか出てこない。イメージとしては、「大手総合商社が年収1,200万円で大量採用します!」というようなものだが、実際は採用ハードルが劇的に高いことは言うまでもない。

むしろ、案件の魅力度と採用ハードルの低さは、反比例しやすい傾向にある。分かりやすい例で言えば、世間の言ういわゆる「ブラック企業」が大量採用しているケースだ。極端なケースだと、「若くて元気な人であれば、誰でも採用します」というものだ。採用ハードルは低いが、案件の魅力度が低いため、候補者受けが悪く、結果的に決まりづらい案件となる。

一番ダメな例としては、企業の認知度がなく(もしくは世間の印象が悪く)、特筆すべき実績や優位性もないのに、やたら採用ハードルが高い案件だ。「うちはMARCH以上でないと採らない」などど上から目線の人事がいそうな企業である。採用力がない企業とはこの事だ。


ここで重要なポイントとしては、実は上記2軸の構成要素は、ほとんどが可変要素であるという点だ。さすがに企業の業績などは不可変要素だが、たとえばネット上にマイナスの企業イメージの情報が掲載されていたら、現在の実態は異なることを事実ベースでお伝えすれば良いし、また厳格すぎる採用要件に対しては、「そんな人材は市場にごく僅かしかいない」とクライアントに伝え、要件を緩和して頂くことを提案すれば良い。つまり、いかに案件の魅力度を高め、かつ採用ハードルを下げるかが、エージェントとしての力量が問われるシーンである


大手のエージェントにありがちなのは、「案件の魅力度」はCA(Career Adviser=候補者担当)、「採用ハードルの低さ」はRA(Recruiting Adviser=企業担当)と、役割を分担するケースが多いが、相互に密な連携が取れている場合を除いて、マトリクスの右上に持っていくことは困難だと言えよう。

皆さんがエージェントに出会う機会があったら、その担当者が上記の動きを行っている形跡はあるか、ぜひチェックしてみて頂きたい。